皆さんはミニカーにギミックを求めますか?
小スケールミニカーの長い歴史の中でもギミックは常にミニカーとともにありました。はじめはタイヤが回転するころくらいしかなかったギミックも、1960年代の終わりごろにはサスペンション、ドアの開閉、トランクやエンジンフードの開閉など多岐にわたるようになりました。
当時の子供たちは各部が開閉するミニカーで自分だけの車を所有する喜びを知ったのでしょう。
メーカーとしてもギミックの有無は売り上げにかかわるとだけあってギミックの宣伝も盛んにおこなわれました。各社はこぞって自分たちのミニカーのギミックを箱に書き連ねました。その痕跡は今でもトミカの箱の下に見られます。
私がMATCHBOXのISO GRIFOを手に入れたころはまだ古いミニカーの台数もなければ、知識もなく手に入れては、いちいち驚き喜んでいました。濃い、美しい青色と流れるようなフォルムに惹かれて手に入れ、一通り眺めた後一つの点が気になり始めました。ギミックが、サスペンション以外のギミックがない(ように思われた)のです。しかしやはり美しいフォルムにそんなことは忘れてしまい、次は色を見ずに形のみを見ようと蛍光灯にかざして初めてこのミニカーの恐るべきポテンシャルに気が付きました。
ドアと車体の隙間に紙一枚分ぐらいでしょうか、わずかに光が漏れていました。
扉が開くミニカーは自分が乗り込む妄想もできて楽しいですね。
文責:ハジメ・ニノマエ