手のひら駐車場日誌

 高純度ダイカスト部 貧乏コレクターの備忘録

夢の跡ーMATCHBOX SERIES №8 MUSTANG

MATCHBOX №8 MUSTANG

ミニカーを買う人の中でも特に絶版品をコレクションする人が頭を悩ませることの一つにどこまで傷んだ個体をコレクションの対象とするか、というものがあります。3インチのミニカーが前世紀においてほとんど子供のおもちゃに徹していた以上現存するものの大多数は子供の手を経てきたものです。
そういった傷んだミニカーを手にする機会はジャンクと銘打って売られるものを買ったときだけではありません。ビンテージやレトロという言葉をあたかも免罪符のようにして売られる傷んだものや熱望してやまない一台についてくるもの等々。こうして得られるこの手のミニカーは最初の一台こそありがたがるものですが、複数台になるとそのままジャンク箱行などということも...

しかし塗装が剥げたり、窓が割れたり、タイヤやボンネットが無くなったりと壊れ方も千差万別の傷んだミニカーは、おもちゃとしての歴史を垣間見せてくれるものでもあります。

裏面のつまみはステアリング機構を動かすためのものです

1960年代末のマッチボックスはギミックの宝庫でした。さらに実車を正確にモデル化するという点でも非常にレベルが高いブランドでした。今回のマスタングはそうしたマッチボックスの良さを凝縮したモデルです。しかしこのタイプのステアリング機構は直進性に難をもたらしたのかこの車以外に採用されることはありませんでした。

 

パーティングラインに合わせて塗装が無くなっています。傷みは時としてミニカーの構造を視覚的に教えてくれることもあります。

久しぶりにジャンク箱の中の傷んだミニカーを見返してみてはいかがでしょう。

おまけ:ステアリング機構

文責:ハジメ・ニノマエ