手のひら駐車場日誌

 高純度ダイカスト部 貧乏コレクターの備忘録

T品番ーTin's Toys NISSAN SKYLINE

何でもありの香港

T242 NISSA SKYLINE HT 2000GT

これはもう説明不明の名車にして迷車。1970年代後半の香港モノではボトムラインと言われたTin’s Toysが送り出したNISSAです。おそらくこのモデルは1980年代に入ってからの製造と思われ、8ドットホイールによって没個性化しています。

特徴的なサーフィンラインのない側面

しかしこの車の面白いところはサーフィンラインがないことでも日産ではなくNISSAであることでもありません。

”かんたん”な顔面とリア

実はこのモデル1970年代に製造されたと思われる初期のものとはいくつか異なった点があります。それが埋められたリアガラスと左右非対称のグリルです。初期のものはリアガラスが存在します。またフロントとリアもここまで抽象的ではなく割と写実的な造形です。実物を持っていないので詳しいことはわかりませんがベースプレートの簡略化と共にこのあたりの造形が変更されたと考えられます。

疑惑のウラ MADEの頭が見えているので楕円の下はMADE IN HONG KONGだろうか

そういえばこの車もFAIEのような上げ底内装でした。

文責:ハジメ・ニノマエ

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その出自ーKees RN5 FERRARI 308GTB

シールまで同じってのは

Kees RN5 FERRARI 308GTB

実車もマイナーならミニカーもマイナー。実車フェラーリのグループ5マシンであるFerarri 308 GTB/4 carma ffです。ツインターボらしいです。

実車はもうちょっと308らしいボディラインです。

さて、ミニカーの方ですが前回のエスコート同様3スポークのホイールにプラ製のベースプレートの構成はポリスティルと同じです。

ウラの模様も同じです。

そして何よりRN5という品番。これはポリスティルのラリーシリーズにつけられたものと一致します。ラリーシリーズなのにラリーカーじゃないけど。

KeesはおそらくPolistilから製造を請け負い、その金型が後に香港から中国へと移ったのでしょう。

PolistilのRNシリーズを調べてもらえばわかりますが全く同じシールがついています。

この車はなかなか珍しい跳ね馬ということもあって探していたのですが、周りに数台あったRNシリーズはポリスティルの刻印が入っていました。この車だけは別の所有者のもとを渡り歩いてきたのでしょうか。香港でRNシリーズは売られていたのでしょうか。謎は深まるばかりです。

実はもう一台ゴルフのラリー仕様というこれもまた妙なデザインのモデルも入手したのでまたいつか。

文責:ハジメ・ニノマエ

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イタリアの80年代ーPolistil RN11 FORD ESCORT XR3

不遇の時代の仇花か、あるいは

Polistil FORD ESCORT XR3 RN11

イタリアのPolistilといえば1960年代、社名がPoli Toysだった頃にはpennyを製造し、1970年代にはclub33でイタリア製3インチとして名を残しました。さて、1980年代に多くのミニカーメーカーがその地位を危うくしていた頃、Polistilもまた最後のミニカーシリーズを作り、撤退していきました。

テールライトの間にはFORDの文字が刻印されています

ポリスティルのRNシリーズは日本にはあまり入ってきていないようで見かける機会が少ないです。しかしRNシリーズに非常によく似た(おそらく金型も同一?)モデル群が香港、そして中国へと流れたようです。

ウラ

これまでの同社のモデルとは違い1/55で大柄ながらもベースプレートがプラ製に変更されたことで軽くなっています。

1980年代に思わぬ形で交錯することになる香港とイタリアをお楽しみに

文責:ハジメ・ニノマエ

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明らかに模倣 ─FAIE FIAT ABARTH 131

FAIE FIAT 131 ABARTH Rally

幸か不幸かHong Kongから日本にやってきた手のひらサイズの車。続いてはフィアットアバルトの131ラリーである。

ウィナーのクラウンがトミカを意識していたように、FAIEのアバルト131は、マッチボックスを意識していr…。いや、これは丸パクリしている。

香港モノ(一部、中華モノ)には、他メーカーのキャストを参考(パクリ)にしたであろうモデル群が多数存在するが、これは露骨すぎるね。

星形のホイールがFAIE(中の人は、『フェイエ』と呼ぶ)の特徴。それ以外は、マッチボックスのキャストとほぼ同じ。もちろん、プラのグリルは安っぽく、シャシーも華奢、ボディも軽い、バリ?も多く、タンポではなくシール仕上げで全体的に雑に作った感がある。
グラフィックは、『FAIE』の文字列を強烈に押してくる。悪くない。

安っぽさこそ感じるが、しかし、参考(元ネタ)のマッチボックスのアバルト131ラリーが良キャストであるため、実車の精悍さはスポイルされていない。

ワイドな横幅、四角いフェンダー。この迫力。
FAIEのキャストが良いのではなく、オリジナルのマッチボックスのキャストが良いということ…。これが香港モノの味

カタログより

同時に入手したFAIEの1989年のカタログより。本車は、オフロードレーサーのシリーズの一台であることがわかる。(とてもマッチボックス)

ちなみに、同じカタログで、パトカー仕様というカラバリも存在することが確認できた。

本キャストがマッチボックスと大きく異なるのは、このシャシーの構造じゃなかろうか。オリジナルのマッチボックスでは別パーツだった内装が、FAIEでは一体成型であるため、この奇妙な形のシャシーになっている。スッカスカ。サスペンションも簡略化(所謂、ベロサスになっている)。

フィアットアバルトの下部にある楕円にはHong Kongの刻印があった。それが消されていることから、中国製に切り替わる時期のキャストであることがうかがえる。(のちに、車名も消されるためその過渡期であることが推察できる)

 

文責:SOx

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香港便りーWINNER NEW CROWN

案外まだまだ、

WINNER NEW CROWN

市井からは完全に消えた香港モノですが中古のおもちゃを扱う店に行けばまだ買えるようで、日本ではかなり珍しい物もいくつかありました。

リア

まあどう見てもクラウンですね。ホイールはトミカに1Eに酷似しています。WINNERはトミカによく似た日本車のほかにシュコー似のドイツ車も製造していました。どちらもこの1E風のホイールを履いていました。

バリがあります

トミカに似ているといわれますが形だけでパーツ構成は異なっています。WINNERはグリルとバンパーが一体成型なのに対し、トミカはバンパーとボディを一体にしています。またドアの開閉ギミックはオミットされます。バリはあるものの全体的な品質はかなり良いと言えるでしょう。

パーツ構成は違いますがかなりモールドのつぶれなどは見られません

箱のロゴはいまだによくわかっていないようです。

謎のロゴと他ではあまり見ない売り文句

パット見トミカ

文責:ハジメ・ニノマエ

 

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”レプリカ”より ─ERTL 1964 Ford Mustang

ERTL '64 Ford Mustang

Hong Kongで仕入れてきたミニカーを紹介していきましょう。まず、米ERTLよりフォードマスタングです。

ERTL(私はアーテルと呼びますね)は、アメリカの老舗玩具メーカー。1945年にアイオワで創業したそうです。トラクターなどの農業機械のミニカーを製造していることで有名で、現在も存続しています。
3インチミニカーにおいては、香港のリントイ(Lintoy)とキャストが共通しており、一説によると、ERTLがリントイに製造を委託していたようです。(同じキャストであってもシャシーの刻印がERTLとLintoyのものが存在します)その後、ERTLはリントイを買収し、生産拠点を香港、韓国、台湾、シンガポール、中国などに持ちながらミニカー製造を続けました。

このくすんだゴールドのマスタングは、ERTLのレプリカシリーズ(Replica Series)の一台。1980年代から流通していたそう。おそらく、日本には入ってきていないキャストだと思われます。

ホイールを見れば、リントイとの関係性がうかがえるデザインです。

多くのメーカーからリリースされている初代マスタング。モデルとしては可もなく不可もなくな出来栄え。アメリカの会社ですが、ホットウィールのような派手派手(偏見)なグラフィックではないところが、レプリカを謳うリアル志向なERTLらしさといったところでしょう。

リアが落ちているのは、経年劣化だと思われますが、スピード感があります。

中国製。
ERTLのレプリカシリーズと言えば、メッキギラギラのシャシーというイメージだが、本キャストは黒のプラスティック。おそらく生産コストの関係で変更されたと思われる。

ERTLは原産国のバリエーションが多いので、シャシーに注目ですね。

文責:SOx

 

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エイプリルフールは去りて

エイプリルフールが終わり、ネタの消化もままならない今日この頃。

トミカとヨネザワって言いたかったな…

取り急ぎ報告から。高純度ダイキャスト部は初の海外遠征を行いました。行先は我ら愛しの香港。さすがに返還から27年が経過し、軽工業の最盛期からはさらに時間がたっていることもあって香港メイドのミニカーは市井には全くと言っていいほど存在していませんでした。しかし今でも大規模な見本市が開かれる当地だけあって最新のものは若干割高ながらも多く収集できました。

というわけでこれから一週間は帰りのスーツケースを太らせた珠玉の香港モノを中心に紹介していきます。

文責:ハジメ・ニノマエ

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