手のひら駐車場日誌

 高純度ダイカスト部 貧乏コレクターの備忘録

継承ーplayart ROVER 3500

まだ見ぬホイールを

playart ROVER 3500

香港に行ったら必ず一台はプレイアートを買おうと心に決めていた。そんな車はショーケースでひっくり返っていたローバーだった。いよいよplayartのブランドも最期の時が近づいてベースプレートはプラ製になり、いつもの5ドットの梅の花のようなホイールも5スポークとなった。

右側は傷みが目立つ

しかし実際末期のプレイアートを日本で見る機会は非常に少ない。あってもサクラカーとして売られた数台やガチャガチャで出たらしきものなど当時から手に入れることは困難であったことが容易に想像できる。

というわけで若干傷んではいたがこのモデルを手に入れた。薄い5スポークはかなりタイヤが厚ぼったくなくて良い。開閉可能なリアハッチも心配ない動きを見せる。非常によくできたおもちゃだといえるだろう。

ウラ

素晴らしい建付けのよさ

 

さて、このブログを見ている人はSOx氏のFAIE回も読んでいるだろう。FAIE回に登場したカタログも香港で手に入れたもののひとつである。そして同時にGuisvalやEdocarといった欧州メーカーからGingellやFAIE、Wellyといった香港メーカーまで3インチとして名前を広く知られたメーカーのカタログを入手した。これはどうやら見本市などで配られたもののようで中には名刺や仕入れ値の表、いくつかのカタログには担当者の連絡先と思われるメモが残されていた。

GATAのカタログの表紙

この中にplayartを集めている人間なら誰しも気になるであろう、GATAのものが含まれている。GATAに引き継がれた金型が、ミニカーだけでなく鉄道模型(かの有名な485系も載っていた)なども品番と共に記載されていた。

シンセイ、マジョレットによく似たトレーラー

謎のシリーズ(初見)

末期プレイアートが掲載されている

このロンドンバスは我々のブログのヘッダーでもおなじみだろう。GATAのカタログなのでplayartの文字は消されている。表に出ない資料とはいえかなり適当な黒海苔

ロールスロイスにはCANCELLEDと書かれているが、実はこれ以外にも有線のリモコンカーのロールスロイスにもCANCELLEDのスタンプが押されていた。こうなってくると否が応でも思い出されるのがYatmingのロールスロイスであろう。Yatmingのロールスロイスは同時期の青箱によく似たコンチネンタルMk4がタンポ時代まで生き残ったのに対し、タンポのついたモデルを全く見ない。このあたりロールスロイス社と香港系メーカーに何かあったのだろうか。まあサマーのゆるゆるのロールスはなぜか許されて(?)いるが。

文責:ハジメ・ニノマエ

 

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中国限定の中国車 ─トミカ 中国一汽 解放 J6

日本GPでは、角田がポイント獲得。良いレースでした。
さて、日本GPの興奮そのままに、次戦は中国GP!

という訳で…

Tomica CN-13 FAW Jiefang J6

CNナンバーのトミカは、中国限定トミカ。CN‐13は、中国一汽(FAW Group)『解放』のダンプトラック(オレンジ色)。
リリースからだいぶ時間が立っていたが、新品で買えた@香港の日本玩具専門店。(パッケージ焼けアリ)

箱と共に

前々から欲しかったモデルなので、買えて満足。中国車の3インチミニカー自体少ない中、働く車(トラック)をセレクトしたタカラトミーのセンスは流石といったところ。

荷台上下のギミック付き。荷台はプラ製で少し軽い。通常ナンバーのトミカの荷台がダイキャスト製であることを考えると、廉価版と言えば廉価版。

日本のダンプとは少し違う雰囲気があるサイドビュー。

『解放』(JIE FANG)といえば、ソビエトの軍用トラック(ZiS-150)をベースにした人民解放軍のトラックというイメージ。CA-10の『解放』は、中国初の自国製量産車だったそう。『解放』の名はFAWのトラックブランドとして受け継がれているようだ。

三角ネジ1カ所とカシメ3カ所…多くない?

トミカの生産が中国からベトナムに切り替わる時期だったらしく、ベトナム製になっている(中国車なのに…)

オマケ:箱

文責:SOx

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つのだせ やりだせ 勇気だせ! ─MINI GT AlphaTauri AT03 #22

MINI GT AlphaTauri AT03 #22 Yuki Tsunoda 2022 Abu Dhabi GP

ついに明日は、2024年F1日本GP決勝!!!

秋から春開催となった鈴鹿、桜咲くGPウィークであります。いや、楽しみですなぁ。

という訳で、F1日本GP前日スペシャル!ミニGTよりアルファタウリAT03。2022年シーズンで角田裕毅が駆ったマシンであります。
ミニGTは、香港のTSMモデルが展開するハイエンド1/64スケールミニカーブランド。香港モノというわけだ。クオリティ…ですかねぇ?

印刷の細かさ。造形の複雑さ。非常にカッコいい!

ディテールもさることながら、こうしたハイエンドモデルにありがちな、『パーツが脆くて壊れるからディスプレイ専用』という訳ではなく、ある程度の遊び(ブンドド)に耐えうる強度があるところも高評価。タイヤがしっかり回る。

複雑なエアロは思いっ切り簡略化しているが、マシン全体で見れば違和感なく特徴をよくとらえて、破綻なくまとめている。
タイヤのリアリティが異常。レターも良いが質感が本物そっくり。

リア周りの雰囲気がお気に入り。

値段は、少しお高めだが、ディスプレイモデルとしても、普通に遊ぶ用のモデルとしても十分なモデル。満足感がある。

本モデルは、2022年シーズンでも最終戦アブダビGP仕様のAT03である。2022アブダビGPは、アルファタウリの角田ガスリーコンビ最終レースだった。角田は惜しくも11位で入賞を逃したものの良い走りだったことを覚えている。ベッテルの引退レースでもある(泣)。

車名記載なし。

裏のディテールはぼちぼちかな。

小林可夢偉以来の日本人ドライバーの誕生を祝ったのが2021年だから、4年目のシーズンを迎えている角田。アルファタウリからRBに名を変えたチームで臨む3回目の母国GPでは、殊勲のQ3進出、P10。立派であります。
決勝はぜひともポイント獲得を!応援!

角田はもちろん、全チーム応援!

文責:SOx

 

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ホットウィールにあるまじきホイール ─Hot Wheels Ford Mustang COBRA

Hot Wheels Ford Mustang COBRA

このモデルを初見でホットウィールだと見抜けるコレクターがいるだろうか?いや、いないだろう(反語)。

そもそも、このマスタングコブラは、コーギージュニアのキャストである。では、なぜホットウィールなのかというと、マテルがコーギーを買収した際に、一部コーギージュニアのキャストがマテルに利用され、ホットウィール名義で販売されていたからである。

このキャストがホットウィールらしからぬ雰囲気を持つのは、そのキャストの出自だけが原因ではない。チープミニカーの代名詞のような(←失礼)8ドットホイールを穿いていることも大きな要因だろう。チープさがどことなく漂う仕上がりである。

トランクが申し訳程度に開くギミックが付いている。さらに、フック付き。車体下部のツートンカラー部をシャシーと一体型の黒いプラパーツで再現するという、ホットウィールでは考えにくい仕様になっているのも、本キャストがコーギージュニアであった名残である。

本モデルが、ホットウィールである証明が裏にある。
ホットウィールのロゴが入る位置にはコーギーのロゴが。Made in Chinaの下にはGreat Britainの文字列があったのだろう。

どうやら、ホットウィールのプレイセットのオマケとして付属していた一台のよう?

文責:SOx

 

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T品番ーTin's Toys NISSAN SKYLINE

何でもありの香港

T242 NISSA SKYLINE HT 2000GT

これはもう説明不明の名車にして迷車。1970年代後半の香港モノではボトムラインと言われたTin’s Toysが送り出したNISSAです。おそらくこのモデルは1980年代に入ってからの製造と思われ、8ドットホイールによって没個性化しています。

特徴的なサーフィンラインのない側面

しかしこの車の面白いところはサーフィンラインがないことでも日産ではなくNISSAであることでもありません。

”かんたん”な顔面とリア

実はこのモデル1970年代に製造されたと思われる初期のものとはいくつか異なった点があります。それが埋められたリアガラスと左右非対称のグリルです。初期のものはリアガラスが存在します。またフロントとリアもここまで抽象的ではなく割と写実的な造形です。実物を持っていないので詳しいことはわかりませんがベースプレートの簡略化と共にこのあたりの造形が変更されたと考えられます。

疑惑のウラ MADEの頭が見えているので楕円の下はMADE IN HONG KONGだろうか

そういえばこの車もFAIEのような上げ底内装でした。

文責:ハジメ・ニノマエ

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その出自ーKees RN5 FERRARI 308GTB

シールまで同じってのは

Kees RN5 FERRARI 308GTB

実車もマイナーならミニカーもマイナー。実車フェラーリのグループ5マシンであるFerarri 308 GTB/4 carma ffです。ツインターボらしいです。

実車はもうちょっと308らしいボディラインです。

さて、ミニカーの方ですが前回のエスコート同様3スポークのホイールにプラ製のベースプレートの構成はポリスティルと同じです。

ウラの模様も同じです。

そして何よりRN5という品番。これはポリスティルのラリーシリーズにつけられたものと一致します。ラリーシリーズなのにラリーカーじゃないけど。

KeesはおそらくPolistilから製造を請け負い、その金型が後に香港から中国へと移ったのでしょう。

PolistilのRNシリーズを調べてもらえばわかりますが全く同じシールがついています。

この車はなかなか珍しい跳ね馬ということもあって探していたのですが、周りに数台あったRNシリーズはポリスティルの刻印が入っていました。この車だけは別の所有者のもとを渡り歩いてきたのでしょうか。香港でRNシリーズは売られていたのでしょうか。謎は深まるばかりです。

実はもう一台ゴルフのラリー仕様というこれもまた妙なデザインのモデルも入手したのでまたいつか。

文責:ハジメ・ニノマエ

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イタリアの80年代ーPolistil RN11 FORD ESCORT XR3

不遇の時代の仇花か、あるいは

Polistil FORD ESCORT XR3 RN11

イタリアのPolistilといえば1960年代、社名がPoli Toysだった頃にはpennyを製造し、1970年代にはclub33でイタリア製3インチとして名を残しました。さて、1980年代に多くのミニカーメーカーがその地位を危うくしていた頃、Polistilもまた最後のミニカーシリーズを作り、撤退していきました。

テールライトの間にはFORDの文字が刻印されています

ポリスティルのRNシリーズは日本にはあまり入ってきていないようで見かける機会が少ないです。しかしRNシリーズに非常によく似た(おそらく金型も同一?)モデル群が香港、そして中国へと流れたようです。

ウラ

これまでの同社のモデルとは違い1/55で大柄ながらもベースプレートがプラ製に変更されたことで軽くなっています。

1980年代に思わぬ形で交錯することになる香港とイタリアをお楽しみに

文責:ハジメ・ニノマエ

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