手のひら駐車場日誌

 高純度ダイカスト部 貧乏コレクターの備忘録

迷走の果てに ─Matchbox Ferrari F40

世界に名を馳せたメーカーの晩年は、あまりにも派手過ぎた。

Matchbox Ferrari F40

1982年にレズニー社が経営破綻し、1997年にマテル社がそのブランドを買収するまでのマッチボックスは香港のユニバーサル(82~92年)と米国のタイコ(92~97年)という会社に買収されていた。俗に言う、インターナショナル時代のマッチボックスである。

もはや、レズニー時代のレギュラーホイールだったあの頃の作風は彼方へと消え、スーパーファストさえ懐かしく思えるほどの変化を遂げたマッチボックスが送り出したのが本モデルである。

箱と共に

モデルは公道を走るF1こと、言わずと知れたフェラーリスーパーカーF40。

それを、赤ベースに、黒いまだら模様で仕上げるという荒唐無稽でコンセプトが行方不明のデザイン。内装は無く、ウィンドはなぜか蛍光イエローで成形する、ど派手なマシンである。

ターゲットは子供とはいえ、あの憧れのフェラーリのスーパーマシンをこんなデザインにされたら、子供でもキレるのではないだろうか。

派手なのは見た目だけ

キャスト自体の出来は悪くなく、車高が高めなのを除けば、実にスーパーカーな出来栄え。特に、テールのエキゾーストとスポイラー周りの造形は細かく、評価できる。

マッチボックスのブランドがマテルに吸収される直前の1994年にリリースされた本車は、ホットウィールの登場で狂わされた、マッチボックスの迷走を示す良い例ではないだろうか。

タイ製。

マッチボックスwikiによると、本車は米国のみでの販売だったらしい。

ちなみに、本車の箱は香港で印刷されているので、香港モノである。