手のひら駐車場日誌

 高純度ダイカスト部 貧乏コレクターの備忘録

遠征を終えてーZylmex VEGA

生まれ故郷に凱旋!

Zylmex D46 VEGA

一見するとただの傷んだジルメックスのベガですが、このモデルはSOx氏が私に渡すために香港に持参したものです。

座面(見づらいなぁ)

このモデルは内装があるのですが、特に床下に入れる機構があるわけでもないのにシートの座面がかなり高い位置についています。

ウラ

カラバリ

今日の記事はこのモデルの生まれ故郷である香港から、時代と場所を隔絶しているかのように見える私の机の上に至る妄想です。一応遠征の総括らしいけどね……

深水埗 おもちゃ屋が密集する通りが近くにある

さて、香港にいくと今でも多くのおもちゃが売られています。しかしこのようなおもちゃがそのまま日本に入ってくることはまれです。日本に入ってきていた香港製のミニカーの多くは工場で製造されてから香港で日本向けパッケージに詰められ直接日本に送られました。

吊るし売りのミニカー 深水埗にて 

私たちは多くのモデルを店頭で買い、コレクションの一部としてきました。しかしその流通を推測できるのはリアルタイムで買ったものや友人、知人から譲り受けたものに限られます。当然生まれる前のモデルは流通経路の一端を知ることこそ可能ですが実際に机の上に収まるモデルが既知の流通形態の果てにここにたどり着いたかなど誰も知りえません。

どこからきてどこへ行くのか

今回は13日間の滞在でしたが、重慶大厦に宿をとりました。そこは安宿が集中する場です。このような宿を必要とするのは我々のような旅行者だけではありません。香港へ商売をしに来る零細の貿易業者もまた安宿やゲストハウスを利用する主要な層です。

重慶大厦 1F

重慶大厦の中ではアフリカ人の男性がスマートフォンを箱に詰めている場面を見かけました。彼のような貿易業者はこれからアフリカへ向けて携帯を送り、利益を得てまた香港に戻ってくるのでしょう。このような業者の多くは広東省へと流出しましたが、今でも教科書には携帯電話を使うアフリカ人の写真が載っています。その写真の人が使うような携帯電話の何割かは重慶大厦を通過してアフリカへと運ばれたとも言われています。

多くの人はあらゆるものが強固なサプライチェーンに乗って届けられるのは当然として気にも留られなくても、レギュラーホイールのマッチボックスを見るときにふと沸く、疑問。それは旭玩具を通して輸入されたものなのでしょうか。案外誰かの旅行鞄に入って持ち込まれたものかもしれないかもしれない。今回の遠征はおもちゃの裏にある刻印の、そのまた奥に隠れた物語に思いを巡らせるという行為に至るその動機を私に刻み込みました。

総括と言いつつ全くまとまらないのでまだまだ香港モノは続くかも

文責:ハジメ・ニノマエ

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