手のひら駐車場日誌

 高純度ダイカスト部 貧乏コレクターの備忘録

ル・マンスペシャル(第一回)ーMINI MARX UNO FERRARI

今月のル・マン開催を記念してル・マン開催まで特集していきます。

UNO FERRARI

記念すべき第一回で取り上げる車として今年からル・マンに復帰するフェラーリを取り上げてみました。
UNO FERRARIなどという名前のフェラーリに聞き覚えがある人はおそらくいないでしょう。ではこの車は本当は何という名前なのでしょうか。ボディラインはPシリーズのル・マンプロトによく似ています。筆者もこれを初めて見たときなんとなく330P3に似ている車という理由で購入していました。しかしよく見るとライトが上下に2つずつついていたりテールの造形も330とは明らかに異なっています。

Pシリーズによく似た、しかしそれとは少し異なったボディワークのプロトタイプカー。私の記憶が何か訴えました。あれはどこかで読んだ雑誌の写真。数年前に読んだ古いモデルカーズ誌、その巻頭にその答えがありました。フェラーリ・ディノの心臓を持った車の内の一台であるDINO 166P、それがこの車の本当の名前でした。

UNOがどこから来たのかは今もって謎に包まれています

DINO166PはAURORA CIGERBOXからも発売されています


さて車自体もさることながらMINI MARXというブランドも聞きなじみがないものです。
しかしMARXの名前はダイキャストカーよりもさらに昔のおもちゃをコレクションしている人にはおそらくなじみのあるものでしょう。Louis MARX Companyが設立されたのは1920年代でした。主に作られていたのはブリキのおもちゃでアメリカでは屈指の老舗メーカーといえます。1960年代後半にMATCHBOXの成功を目にしたLouis MARX coは3インチのダイキャストカーのシリーズとしてMini Marx Blazer Seriesを香港で製造しました。この中にUNO FERRARIも含まれています。そしてHOTWHEELSが登場するとSuper Speed Carに若干の改造を施されて専用のコースとともに売り出されますが、それ以上ラインナップが広がることはありませんでした。

文責:ハジメ・ニノマエ

参考文献
『Encyclopedia of Small-Scale Diecast Motor Vehicle Manufacturers』,2006,Enthusiast Books,Kimmo Sahakangas(著),Dave Weber(著),Mark Foster(著),Alan Sahakangas(写真)